1	植物は、光合成ででんぷんをつくり、呼吸ででんぷんを消費しています。光が強いときは光合成のはたらきが呼吸よりも大きくなりますが、光が弱くなると呼吸のはたらきの方が大きくなり、その状態が長く続くと植物はかれてしまいます。(図)は、光の強さと、ほぼ同じ大きさの２種類の植物がつくるでんぷんの量との関係を表しています。これについて、次の問いに答えなさい。ただし、ルクスは光の強さを表しており、数字が大きいほど明るいことを示します。

[問１]の答え	Ｂ
解説	1/3
	でんぷんの量が増加すると植物は育ち、でんぷんの量が減少すると植物はかれます。 弱い光のところ、たとえば５００ルクスのところを見てみましょう。 ５００ルクスでは、Ｂのでんぷんの量は増加も減少もしていません。 「育ちもしないが、かれもしない」ということですね。 Ａは、５００ルクスでは４ぐらい、減少しています。 つまり、「かれてしまう」ということです。 ですから、Ｂは５００ルクスよりも光が強ければ育ちますが、 Ａが育つためには、７５０ルクスぐらい必要なことが、グラフから読みとることができます。 よって、より弱い光でも育つことができるのは、Ｂになりますね。

Ａの植物がかろうじて生きられるためには、光の強さは最低何ルクスあればよいですか。下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　５００　　　　(イ)　８００　　　　(ウ)　１６００　　　　(エ)　２０００　　　　(オ)　　２８００

[問２]の答え	(イ)
解説	1/3
	「かろじて生きられる」というのは、「枯れることはないが、よく成長することもない」ということです。 グラフを見ると、Ａは７５０ルクスぐらいで、でんぷんの量が増加も減少もしないことがわかりますね。 よって、最低７５０ルクスぐらいあれば、かろうじて生きられることになります。 ７５０ルクスよりも多くてしかも近いのは８００ルクスの(イ)になります。

光が十分にあたっているとき、ＡとＢの１時間あたりの呼吸量をでんぷんの量で表すと、何ｇになりますか。それぞれ数字で答えなさい。ただし、呼吸量はいつも一定であるとします。

[問３]の答え	Ａ…１０ｇ、Ｂ…５ｇ
解説	1/3
	大切なのは、 「光が当たっていてもいなくても、呼吸量は同じ」 ということです。 もちろん、光合成の量は光の量によって変わりますが。 この問題は、呼吸量を求める問題ですね。 へたに光合成をしていると、でんぷんを作ってしまいますから、光合成をまったくしていないところがどこなのかを考えます。 すると、光の強さが０ルクスのときに、光がまったく当たっていないのですから、呼吸しかしていないことになりますね。そのとき、Ａは１０ｇの減少で、Ｂは５ｇの減少です。 これが、呼吸量になります。

光の強さが２０００ルクスのとき、ＡとＢが１時間あたりにつくったでんぷんの量の差は何ｇになりますか。数字で答えなさい。

[問４]の答え	１０ｇ
解説	1/6
	注意するのは、「増加量」と「光合成でつくった量」とはちがう、ということです。 ２０００ルクスのとき、Ａは１５ｇだけでんぷん量が増加していますね。でも、[問３]で求めたように、Ａの呼吸量は１０ｇでした。 Ａは、呼吸によって１０ｇのでんぷんを使ったはずなのに、でんぷんが減っているどころか、逆に１５ｇだけ増加している。 ということは、光合成でたくさんのでんぷんを作ったことになりますね。 Ａは、光合成で、 １５＋１０＝２５(ｇ) のでんぷんを作ったことになります。 Ｂは、呼吸で５ｇのでんぷんを使っているのに、 ２０００ルクスでは、１０ｇのでんぷんが増加しています。 Ｂは、 １０＋５＝１５(ｇ) のでんぷんを作ったことになります。 Ａは２５ｇ、Ｂは１５ｇのでんぷんを作ったのですから、 作ったでんぷんの量の差は、 ２５−１５＝１０(ｇ) になります。

光の強さが４０００ルクスのとき、Ａの葉２０００枚が１時間あたりにつくるでんぷんの量を２ｇとすると、このときＢの同じ面積分の葉が１時間あたりにつくるでんぷんの量は何ｇになりますか。小数第２位を四捨五入して数字で答えなさい。

[問５]の答え	０．９ｇ
解説	1/6
	４０００ルクスのとき、Ａは２５ｇだけでんぷんの量が増加しています。 Ａの呼吸によるでんぷんの減少量は１０ｇでした。 Ａは、４０００ルクスのとき、 ２５＋１０＝３５(g) のでんぷんを作ったことになります。 同じようにして、Ｂは４０００ルクスのとき、１０ｇのでんぷんが増加していて、Ｂの呼吸によるでんぷんの減少量は５ｇでしたから、 Ｂは４０００ルクスのとき、 １０＋５＝１５(ｇ) のでんぷんを作ったことになります。 Ａは３５ｇのでんぷんを作り、 Ｂは１５ｇのでんぷんを作りました。 作ったでんぷん量の比は、 ３５：１５＝７：３ となります。 いま、Ａの葉２０００枚が、２ｇのでんぷんを作った、と書いてありました。 ＡとＢの作るでんぷん量の比は、 ７：３ でしたから、 Ｂの葉２０００枚のつくったでんぷん量は、 　２÷７×３ ＝０.８５７… ＝約０.９(ｇ) となります。

２	コナラとヒノキの林について、林のなりたちや森林内の明るさの変化を１年間続けて観察してみました。 　(図１)と(図２)はそれぞれの林の明るさの変化を示しています。また、コナラとヒノキについて、光の強さと１時間あたりのでんぷんの増減を調べると、(図３)のようになりました。これについて、次の問いに答えなさい。

(図１) ・ (図２)は、コナラとヒノキのどちらの林の明るさの変化を示したグラフですか。正しく説明しているものを下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　(図１)は常緑樹、(図２)は落葉樹のグラフなので、(図１)がコナラで(図２がヒノキの林である。 (イ)　(図１)は常緑樹、(図２)は落葉樹のグラフなので、(図１)がヒノキで(図２)がコナラの林である。 (ウ)　(図１)は落葉樹、(図２)は常緑樹のグラフなので、(図１)がコナラで(図２)がヒノキの林である。 (エ)　(図１)は陽樹、(図２)は陰樹のグラフなので、(図１)がヒノキで(図２)がコナラの林である。

[問１]の答え	(ウ)
解説	1/3
	(図１)のグラフは、夏に林の中が暗くなっています。 夏は、葉がおいしげっているので、林の中は暗くなっているのです。 さらに、(図１)では、冬は林の中が明るくなっています。 冬は、葉が落ちたから、林の中まで日光がさしこんでくるから明るいのだ、と考えられます。 よって、(図１)のグラフは、冬に葉が落ちる植物、つまり「落葉樹」になります。 答えは(ウ)になります。

大きく成長しているコナラとヒノキの林に幼木が見られました。この幼木について、正しく説明しているものはどれですか。下から２つ選び、記号で答えなさい。 (ア)　ヒノキ林の中には、ヒノキの幼木が見られる。 (イ)　ヒノキ林の中には、コナラの幼木が見られる。 (ウ)　コナラ林の中には、コナラの幼木が見られる。 (エ)　コナラ林の中には、ヒノキの幼木が見られる。

[問２]の答え	(ア)、(エ)
解説	1/3
	林の中は、木がおいしげっているので、暗くなっています。 幼木は、そのような暗いかんきょうでも、育つような幼木でなければなりません。 (図３)を見ると、コナラは育つために１０００ルクス以上が必要で、 ヒノキは育つために５００ルクス以上あればＯＫであることがわかります。 よって、暗いところでも育つのは「ヒノキ」です。 林の中は暗いので、「ヒノキ」の幼木しか育ちません。 たとえその林が、「ヒノキ」林でも「コナラ」林でも、関係ありません。とにかく幼木は、「ヒノキ」のような陰樹しかありえないことを、よく理解しておきましょう。 答えは、「ヒノキ」の幼木と書いてある、(ア)と(エ)になります。

図３から考えて、８００ルクスの光の強さのとき、コナラとヒノキはどのようになると考えられますか。あてはまるものを下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　コナラは成長するが、ヒノキは枯れる。 (イ)　ヒノキは成長するが、コナラは枯れる。 (ウ)　コナラもヒノキも成長する。 (エ)　コナラもヒノキも枯れる。

[問３]の答え	(イ)
解説	1/3
	でんぷんの量が増加していると育ち、 でんぷんの量が減少していると枯れます。 ８００ルクスのときは、 コナラは３ｇぐらい増加。 ヒノキは−１.４ｇぐらい減少。 よって、 コナラは成長して、 ヒノキはかれます。 答えは(イ)になります。

(図３)から、４０００ルクスの光の強さで比べると、コナラはヒノキの約何倍のでんぷんをつくっていると考えられますか。下から選び、記号で答えなさい。 (ア)１．５倍　　　　(イ)　２．０倍　　　　(ウ)　２．５倍 (エ)　３．０倍　　　　(オ)　３．５倍

[問４]の答え	(イ)
解説	1/7
	このような問題では、でんぷんがどれだけ増加しているかだけわかってもダメ。どれだけでんぷんを作るのかを計算しなければなりません。 そのためには、「呼吸による減少量」を、必ず求めるようにしましょう。 植物は呼吸も光合成も両方していますが、光がまったくあたっていないとき、つまり０ルクスのときは、呼吸しかしていません。 つまり、グラフの０ルクスのところを見ると、呼吸量だけがわかるようになっています。 コナラは０ルクスのときには７ｇの減少、 ヒノキは０ルクスのときには５ｇの減少ですね。 よって、コナラの呼吸によるでんぷん減少量は７ｇ、 ヒノキの呼吸によるでんぷん減少量は５ｇになります。 ４０００ルクスのとき、コナラは２０ｇもでんぷんが増加しています。 呼吸によって７ｇ減少するはずなのに、です。 ということは、コナラは光合成によって、 ２０＋７＝２７(ｇ) のでんぷんを作ったことになります。 同じようにして、ヒノキは、 ８＋５＝１３(ｇ) のでんぷんを作りました。 コナラは２７ｇ、 ヒノキは１３ｇのでんぷんを作ったのですから、 コナラはヒノキの、 ２７÷１３＝約２(倍) のでんぷんを作ったことになります。

森林内で(図４)のようなうすいむらさき色の花がさいていました。この花は何という植物ですか。ことばで答えなさい。

[問５](1)の答え	カタクリ
解説	1/3
	カタクリは、ユリのなかまで、根にでんぷんをたくさんもっています。 スーパーなどで売っている「片栗粉(かたくりこ)」の「かたくり」とは、昔はこの植物から、でんぷんをとっていたことから名付けられました。 いまは、名前は「片栗粉」でも、でんぷんはジャガイモからとっています。「カタクリ」の花が、昔よりも少なくなってきたからです。 カタクリの植物図鑑を見ておいてください。

(図４)の花はどちらの林で、いつごろ見られますか。下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　コナラ林で、３月ごろ見られる。 (イ)　コナラ林で、８月ごろ見られる。 (ウ)　ヒノキ林で、３月ごろ見られる。 (エ)　ヒノキ林で、８月ごろ見られる。 (オ)　両方の林で、３月ごろ見られる。 (カ)　両方の林で、８月ごろ見られる。

[問５](2)の答え	(ア)
解説	1/3
	カタクリは、林の中にさきます。 ふつう、林の中は日光があまり当たらないのですが、 落葉樹なら、春にはまだ葉がおいしげっていないので、日光が当たるのです。 カタクリは、落葉樹の林で、春先に、まだ葉がおいしげっていないすきをねらって、花がさくのです。 よって、落葉樹であるコナラの林に、春ごろ、花をさかせるので、答えは(ア)になります。

森林内で、(図４)の花と同じころに、同じ林で見られる植物はどれですか。下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　シャガ　　　　(イ)　フクジュソウ　　　　(ウ)　アブラナ (エ)　ヒメジョオン　　　　(オ)　ホウセンカ

[問５](3)の答え	(イ)
解説	1/3
	カタクリは、落葉樹の林で、まだ葉がおいしげっていない春先に、花がさきます。 同じように、落葉樹の林で、春先にさく花としては、「フクジュソウ」があります。 「カタクリ」と「フクジュソウ」の２つは、必ずおぼえておくようにしましょう。

３	２種類の植物Ａ・Ｂを使って、あてる光の強さと光合成のはたらきについて調べる＜実験＞を行いました。これについて、次の問いに答えなさい。 ＜実験＞　２種類の植物Ａ・Ｂにいろいろな明るさの光を１時間あて、植物の体内のでんぷん量の増減を調べました。この結果をまとめると、右の(グラフ)のようになり、５００ルクスのときの植物Ａと１０００ルクスのときの植物Ｂはともにでんぷん量の増減が０ｇでした。

(グラフ)から考えて、次の(1)〜(3)の明るさのとき、植物Ａ・Ｂの光合成と呼吸のはたらきはどのようになっていますか。下の(ア)〜(キ)から選び、それぞれ記号で答えなさい。ただし、同じ記号を何回使ってもよいものとします。 (1)　０ルクス (2)　５００ルクス (3)　１５００ルクス (ア) 　光合成も呼吸も行っていない。 (イ) 　呼吸だけ行っている。 (ウ) 　光合成だけ行っている。 (エ) 　呼吸で使われるでんぷん量と、光合成でつくられるでんぷん量はほぼ等しくなっている。 (オ) 　光合成でつくられるでんぷん量より、呼吸で使われるでんぷん量の方が多い。 (カ) 　呼吸で使われるでんぷん量より、光合成でつくられるでんぷん量の方が多く、光の強さをさらに増すと、つくられるでんぷん量が増える。 (キ) 　呼吸で使われるでんぷん量より、光合成でつくられるでんぷん量の方が多いが、光の強さをさらに増してもつくられるでんぷん量は変わらない。

[問１]の答え	(1)A…イ・B…イ (2)A…エ・B…オ (3)A…キ・B…カ
解説	1/8
	どんな植物でも、生きている限り、必ず「呼吸」はしています。 光が当たらないと、光合成はできませんが、 呼吸は、どんなときでも行っているのです。 呼吸のはたらきで、でんぷんは使われます。 光合成のはたらきで、でんぷんは作られます。 どちらのはたらきが強いかによって、でんぷんは増加したり減少したりするのです。 (1)では０ルクスですから、光は当たっていません。よって光合成はせず、呼吸しかしていません。よって、ＡもＢも、答えは(イ)になります。 (2)の５００ルクスのところを見ると、植物Ａのぼうグラフはありません。ということは、増加も減少もしていないことになり、植物Ａは、呼吸によって使われたでんぷんの量だけ、光合成によってでんぷんを作ったことになります。答えは(エ)になります。 ５００ルクスのとき、植物Ｂのでんぷんは８ｇぐらい減少しています。これは、あまり光合成ででんぷんを作らなかったので、呼吸のはたらきの方が強くてでんぷんが減少したことを表しています。よって、(オ)が正解になります。 １５００ルクスのとき、植物Ａのでんぷんは８ｇ弱増加しています。 もちろん呼吸ででんぷんは使っていますが、それよりも光合成でたくさんでんぷんを作ったので、でんぷんの量が増加したわけです。 答えは(カ)か(キ)のいずれかです。 さらに２０００ルクスにしても、植物Ａのでんぷん増加量はほとんど変わっていませんね。つまり、これ以上光を強くしても、あまり効果はないことになります。答えは(キ)になりますね。 １５００ルクスのとき、植物Ｂのでんぷん量は８ｇ弱増加しています。 つまり、呼吸で使われるでんぷん量よりも、もっとたくさんのでんぷんを光合成で作っているから、でんぷんが増加したことになります。 しかも、２０００ルクスのときは、さらにでんぷん量が増加していますから、答えは(カ)になります。

植物ＡとＢで、成長していくのにより強い光が必要なのはどちらですか。記号で答えなさい。

[問２]の答え	Ｂ
解説	1/3
	(グラフ)で、ぼうグラフがないところは、でんぷんが増加も減少もしなかったところです。このときが、成長も枯れもしない光の強さになっています。 植物Ａでは、５００ルクスのときにぼうグラフがなく、 植物Ｂでは、１０００ルクスのときにぼうグラフがありません。 よって、植物Ａでは、５００ルクスを超える光の量だと成長し、 植物Ｂでは、１０００ルクスを超える光の量だと成長します。 より強い光の量が必要なのは、１０００ルクスより多く必要な、植物Ｂになります。

植物ＡとＢの幼木に、１０００ルクスの光をあてて成長のようすを調べると、どのようになりますか。下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　Ａは成長できるが、Ｂは成長できない。 (イ)　Ａは成長できないが、Ｂは成長できる。 (ウ)　ＡもＢも成長できる。 (エ)　ＡもＢも成長できない。

[問３]の答え	(ア)
解説	1/3
	グラフをしっかり見てみましょう。 でんぷん量が増加すれば植物は成長し、 でんぷん量が減少すれば植物は枯れます。 １０００ルクスのとき、植物Ａは８ｇ弱のでんぷん量が増加しています。よって、植物Ａは成長します。 １０００ルクスのとき、植物Ｂはぼうグラフがありません。よって、植物Ｂは成長も枯れもしません。 １０００ルクスのとき、植物Ａは成長できて、植物Ｂは、成長はできないのですから、答えは(ア)になります。

植物Ａに１５００ルクスの光をあてたとき、３時間後に増えるでんぷんの量は何ｇですか。数字で答えなさい。

[問４]の答え	２４ｇ
解説	1/3
	問題文の、「３時間後」と書いてあるところを注意して読めましたか？ １５００ルクスのとき、植物Ａは８ｇの増加になっています。 でも、このグラフは、「１時間あたり」のグラフですね。 グラフのたて軸に、書いてありました。 １時間あたり８ｇの増加ですから、 ３時間あたり、 ８×３＝２４(ｇ) の増加になります。

植物Ｂに２０００ルクスの光をあてたとき、光合成によってつくられるでんぷんの量は１時間あたり何ｇですか。数字で答えなさい。

[問５]の答え	３０ｇ
解説	1/5
	この問題は、でんぷんの量の「増加」ではなくて、光合成でどれだけのでんぷんが「作られた」か、というところに注意することがポイントです。 ２０００ルクスのとき、植物Ｂは１５ｇのでんぷんが増加していますね。でも、これをそのまま答えにしてはいけません。 というのは、もっとたくさんのでんぷんを、光合成によって作っているはずだからです。でも、呼吸によってでんぷんは使われて、結局１５ｇだけ、でんぷんは増加したのです。 では、呼吸によって使われるでんぷんの量はどれだけなのでしょう。 それは、呼吸だけ行なっていて、光合成はまったく行われていないところを見ればわかります。グラフの「０ルクス」のところですね。 ０ルクスのとき、植物Ｂは１５ｇのでんぷんが減少しています。 植物Ｂは、呼吸によって１５ｇのでんぷんを使うことがわかりました。 １５ｇ使っても、２０００ルクスのときは１５ｇのでんぷんが増加したのですから、光合成で作ったでんぷんの量は、 １５＋１５＝３０(ｇ) になります。

４	２種類の植物を使って、１時間あたりに、はたらきＸによってつくられるでんぷんの量と、はたらきＹによって使われるでんぷんの量が、光の強さによってどのように変化するのかを調べてまとめると、下の(表１)のようになりました。これについて、次の問いに答えなさい。

はたらきＸにあてはまる植物のはたらきとは何ですか。ことばで答えなさい。

[問１]の答え	光合成
解説	1/3
	はたらきＸは、でんぷんを「作る」と書いてあります。 でんぷんを作るのは、光合成のはたらきです。 はたらきＹは、でんぷんを「使う」と書いてあります。 でんぷんを使うのは、呼吸のはたらきです。 光合成は、日光の「エネルギー」によってでんぷんを作り、 呼吸は、でんぷんによって、生物が成長したりする「エネルギー」をもらっていることになります。 光合成と呼吸は、逆のはたらきです。

はたらきＸ・Ｙについて、(表１)からわかることは何ですか。下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　光が強くなると、はたらきＸはさかんになるが、はたらきＹはおとろえる。 (イ)　光が強くなると、はたらきＹはさかんになるが、はたらきＸはおとろえる。 (ウ)　光が強くなると、はたらきＸとＹはともにさかんになる。 (エ)　光が強くなると、はたらきＸとＹはともにおとろえる。 (オ)　光が強くなると、はたらきＸはある程度さかんになり、はたらきＹは光の強さに関係しない。

[問２]の答え	(オ)
解説	1/3
	呼吸(はたらきＹ)は、植物Ａではずっと１５.０ｇ、植物Ｂではずっと８.０ｇです。 呼吸のはたらきは、光の量にかかわらず、いつも一定であることがわかります。 光合成(はたらきＸ)は、植物Ａでは光を強くしていくと、どんどんさかんになっていきますが、２０００ルクス以上ではずっと３５.０ｇのまま変わりません。 よって、光合成は、光が強くなるとある程度まではさかんになりますが、それ以上は変わらないことがわかります。 植物Ｂも、光合成(はたらきＹ)は、１０００ルクスまではどんどんさかんになっていきますが、１０００ルクスを超えると、もう変わらないことになります。 答えは、(オ)になりますね。

植物Ａに２５００ルクスの光をつねにあてたとき、体内には１時間あたり何ｇのでんぷんが増えていきますか。数字で答えなさい。

[問３]の答え	２０．０
解説	1/3
	植物Ａの２５００ルクスのところの表を見ると、 光合成(はたらきＸ)によって、３５.０ｇのでんぷんが作られ、 呼吸(はたらきＹ)によって、１５.０ｇのでんぷんが使われることがわかります。 ３５.０ｇが作られ、１５.０ｇが使われるのですから、 ３５.０−１５.０＝２０.０(ｇ) だけ、でんぷんの量が増加することがわかります。

植物Ｂが成長して大きく育つためには、何ルクスよりも強い光をあて続けなければいけませんか。数字で答えなさい。

[問４]の答え	５００ルクス
解説	1/3
	でんぷんの量が増加すると、植物は成長し、 でんぷんの量が減少すると、植物は枯れます。 でんぷんの量が増加も減少もしていないとき、植物は成長も枯れもしません。 植物Ｂでは、５００ルクスのときに、光合成(はたらきＸ)によって８.０ｇのでんぷんを作り、呼吸(はたらきＹ)によって８.０ｇのでんぷんを使っています。このときに、作った分だけ使っているのですから、植物Ｂは成長も枯れもしません。 ５００ルクスよりも強い光をあてれば、光合成がもっとさかんになって、植物Ｂは成長することになります。

植物ＡとＢが成長していくのに最低でも必要な光の強さについて、考えられることはどれですか。あてはまるものを下から選び、記号で答えなさい。 (ア)　植物Ａの方が植物Ｂより強い光を必要とする。 (イ)　植物Ｂの方が植物Ａより強い光を必要とする。 (ウ)　植物Ａと植物Ｂが必要な光は同じである。

[問５]の答え	(ア)
解説	1/5
	でんぷんの量が増加すれば、植物は成長し、 でんぷんの量が減少すれば、植物は枯れます。 植物Ａでは、１０００ルクスのときに、でんぷんの作る量と使う量が等しくなっているので、でんぷんの量は増加も減少もしないので、植物Ａは成長も枯れもしません。 植物Ｂでは、５００ルクスのときに、成長も枯れもしません。 よって、植物Ａは、１０００ルクスのときが、ギリギリの光の強さで、植物Ｂは、５００ルクスのときが、ギリギリの光の強さです。 成長に、より強い光が必要なのは、植物Ａの方であることがわかります。よって答えは(ア)になります。

植物Ａの１日の光のあて方を(表２)のようにして、体内のでんぷんの量を調べました。このとき、体内には１日で何ｇのでんぷんが増えますか。数字で答えなさい。

[問６]の答え	７．５ｇ
解説	1/8
	(表)の意味をしっかり考えて、問題を解いていきましょう。 ポイントは、「呼吸はいつも同じ」ということです。 植物Ａは、いつも１時間あたり１５.０ｇずつ、呼吸によってでんぷんを使っていますね。 １日は２４時間ですから、 １５×２４＝３６０(ｇ)のでんぷんを、呼吸によって使っていることになります。 この数を、しっかりメモしておいてください。 (表２)を見ると、植物Ａには１５００ルクスの光を３時間、 ２５００ルクスの光を６時間、 ２０００ルクスの光を３時間あてています。 １５００ルクスの光の強さのとき、(表１)によって １時間あたり、２２.５ｇのでんぷんを、光合成によって作るはずです。 １５００ルクスの光を３時間あてると、 ２２.５×３＝６７.５(ｇ) のでんぷんを作ることになります。 ２５００ルクスの光の強さのとき、(表１)によって １時間あたり、３５.０ｇのでんぷんを、光合成によって作るはずです。 ２５００ルクスの光を６時間あてると、 ３５.０×６＝２１０.０(ｇ) のでんぷんを作ることになります。 ２０００ルクスの光の強さのとき、(表１)によって １時間あたり、３０.０ｇのでんぷんを、光合成によって作るはずです。 ２０００ルクスの光を３時間あてると、 ３０.０×３＝９０.０(ｇ) のでんぷんを作ることになります。 ここまでのことを、まとめておきます。 呼吸…１日で、３６０ｇのでんぷんを使う。 １５００ルクスを３時間…６７.５ｇのでんぷんを作る。 ２５００ルクスを６時間…２１０.０ｇのでんぷんを作る。 ２０００ルクスを３時間…９０.０ｇのでんぷんを作る。 ６７.５＋２１０.０＋９０.０＝３６７.５(ｇ) のでんぷんを作って、 ３６０ｇのでんぷんを使うのですから、 ３６７.５−３６０＝７.５(ｇ) のでんぷんがあまる、つまり増加することになります。