森林のつくり(1)
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 (図1)は、安定した森林のようすを模式的に示したもので、森林は多くの植物が集まって、おたがいにえいきょうをおよぼし合いながら生活していることがわかります。これについて、次の問いに答えなさい。

  (図1)のAのように、森林を取り囲むように生えている草の群落を何といいますか。ことばで答えなさい。また、このような植物の組み合わせとして正しいものを下から選び、記号で答えなさい。
(ア) ヤブラン・リュウノヒゲ
(イ) タンポポ・ヤブコウジ
(ウ) シュンラン・ナズナ
(エ) ススキ・ヨモギ


[問1]の答えそで群落、(エ)
解説       1/3

Aは、服でいえば「袖(そで)」の部分にあたるので、「そで群落」といいます。森林のまわりを守っているようですね。








  (図1)のBのように、森林のへりに生える植物の組み合わせとして正しいものを下から選び、記号で答えなさい。
(ア) ヘチマ・ヤマブドウ
(イ) ヤブガラシ・クズ
(ウ) エンドウ・ヒルガオ
(エ) アサガオ・ヤツデ


[問2]の答え(イ)
解説       1/3

(図1)のBのようになるためには、「つる」を持っていて、どんどん上の方にまではい上がるような植物でなければなりません。








  (図1)のCのように、森林の中に生えている低木の組み合わせとして正しいものを下から選び、記号で答えなさい。
(ア) サツキ・アカマツ
(イ) シイ・シラカバ
(ウ) エンドウ・ヒルガオ
(エ) カシ・ブナ


[問3]の答え(ウ)
解説       1/2

(ア)のサツキは低木、アカマツは高木。
(イ)のシイ・シラカバは、どちらも高木。
(ウ)のアオキ・ヤマツツジは、どちらも低木。
(エ)のカシ・ブナは、どちらも高木。








  (図2)の(ア)〜(エ)は、裸地だった場所が、(図1)のような安定した森林になるまでの移り変わりを模式的に示したものですが、正しい順になっていません。(ア)〜(エ)を移り変わりの正しい順にならび変えて、記号で答えなさい。


[問4]の答え(イ)→(ウ)→(ア)→(エ)
解説       1/3

裸地→草原→樹木 の順になることは、誰でもわかると思いますが、
樹木は、はじめは陽樹の林。年月がたつと、陰樹の林。最終的には陰樹の林の状態が続くことを、しっかり理解しておいてください。








  森林をつくる高木の種類によって林の中の明るさがどのように変わり、他の植物にどのようなえいきょうをあたえるのかを確かめるために、高木の種類が異なる2つの林A・Bで、林の中の明るさを1年間調べると、(グラフ1)・(グラフ2)のようになりました。下の文は、この結果からわかることをまとめたものです。文中の空らん(@F)にあてはまることばを下の(ア)〜(シ)から選び、それぞれ記号で答えなさい。
『林Aは1年の間で林の中の明るさが大きく変わっている。これは、この林をつくっている高木が( @ )などの( A )樹だからである。一方、林Bは1年の間で林の中の明るさがあまり変化しない。これはこの林をつくる高木が( B )などの( C )樹だからである。このように高木の種類によって林の中の明るさの変化のしかたが大きくちがうため、林Aには早春に花をさかせる( D )などの下草が見られるが、林Bには見られない。また、4月頃の林Aと林Bでの林の中の気温やしつ度をくらべてみると、林Aは林Bにくらべて1日の最高気温と最低気温の差が( E )く、しつ度が( F )くなっている。』
(ア) 陽    (イ) 陰    (ウ) 常緑    (エ) 落葉
(オ) 大き    (カ) 小さ    (キ) 高    (ク) 低
(ケ) カタクリ・フクジュソウ    (コ) ベニシダ・スギゴケ
(サ) スギ・ヒノキ    (シ) ミズナラ・ブナ


[問5]の答え@シ   Aエ  Bサ  C
Dケ  Eオ  F

解説       1/5

林Aのグラフは、1年の間で明るさが変わっていますね。春は明るく、夏は暗くなっています。
夏は、葉がおいしげるので、林の中が暗くなるわけですね。
春が明るいのは、まだ葉がおいしげっていない、つまり冬に葉が落ちていたことがわかります。
Aは、落葉樹の林であることがわかるのです。







 次のA〜Eは、森林に見られる植物を、その特ちょうによってグループ分けしたものです。それぞれのグループの5つの植物のうち、1つだけその特ちょうでないものがふくまれています。それはどれですか。それぞれ番号で答えなさい。また、残った4つの植物に共通するグループの特ちょうを下の(ア)〜(オ)から選び、それぞれ記号で答えなさい。
  (ア) 常緑樹である。
  (イ) 針葉樹である。
  (ウ) 低木である。
  (エ) 下草である。
  (オ) つる性植物である。

  (@ ヒノキ    A イロハカエデ    B アカマツ    C アオキ    D ヒイラギ    )


A:の答えA、(ア)
解説       1/3

マツは、冬でも葉が落ちないことは知っていますね。
また、ヒイラギは、漢字で「柊」と書き、冬でも青々とした葉をつけています。








  (@ シュンラン    A シャガ    B ヤツデ    C ドクダミ    D リュウノヒゲ    )


B:の答えB、(エ)
解説       1/3

シュンラン、シャガ、ドクダミ、リュウノヒゲは、すべて下草です。








  (@ スギ    A カシ    B アカマツ    C モミ    D ヒノキ    )


C:の答えA、(イ)
解説       1/3

この問題は、結構むずかしい問題ですね。








  (@ クズ    A ヤマブドウ    B ヤブガラシ    C シイタケ    D フジ    )


D:の答えC、(オ)
解説       1/3

クズは、漢字で「葛」と書きます。食用(くず粉など)にもなるし、薬用(かっこんとう)にもなります。つる性植物です。








  (@ ヤマツツジ    A ヒサカキ    B クスノキ    C ツゲ    D アオキ    )


E:の答えB、(ウ)
解説       1/3

ゴールデンウィークのころ、道路に植えてある低木が、一気にピンクや紫色の花をさかせますね。それが「ツツジ」です。







 (図1)は、ある山で見られたシイの森のようすをスケッチしたものです。また、(図2)は、長い年月でのある植物の集団の移り変わりのようすを表しています。これについて、次の問いに答えなさい。

  (図1)の A のように森林のまわりに生えるつる植物の集団を何といいますか。ことばで答えなさい。


[問1]の答えマント群落
解説       1/3

Aのように、森林のまわりにはえる「つる植物」が、マント群落です。
服の上からはおる、「マント」のような形をしているところから、名付けられました。








  (図1)の B  C にあてはまる植物はどれですか。下から選び、それぞれ記号で答えなさい。
(ア) アオキ    (イ) ススキ    (ウ) クズ    (エ) リュウノヒゲ    (オ) シラカバ    (カ) ヤマブドウ


[問2]の答えB…(ア)、C…(エ)
解説       1/3

(ア)のアオキは低木。
(イ)のススキは、森林の外にある、陽性の草です。「そで群落」をつくります。Dの部分に生えています。
(ウ)のクズは、つる植物で、マント群落をつくります。Aの部分です。








  (図1)の D の植物は、森林に対してどのような役割をしていますか。下からすべて選び、記号で答えなさい。
(ア) 湿り気を保つ。    (イ) 風通しをよくする。    (ウ) 酸素を増やす。
(エ) 温度を保つ。    (オ) 土中の養分を増やす。


[問3]の答え(ア)、(エ)
解説       1/3

Aのマント群落や、Dのそで群落は、森林を守っています。








  (図1)の A  D の植物を取りのぞくと、この森林はどのように変わっていくと考えられますか。下から選び、記号で答えなさい。
(ア) 森林内にたくさんの日光がとどくようになるので、高木層が増える。
(イ) 森林内にたくさんの日光がとどくようになるので、 C のような植物が増える。
(ウ) 森林内がかんそうして、高木層や B の植物も減ってしまう。
(エ) 森林内で光合成がさかんに行われ、土中の養分も増えるので、高木層や B の植物が増える。


[問4]の答え(ウ)
解説       1/3

[問3]で、AやDは森林のかんきょうを保つ、ということがわかっていますね。
「気温を一定に保つ」
「しめり気を保つ」
のが、AやDの役割です。








  (図1)のようすは、(図2)の@Eのどれにあてはまりますか。下から選び、記号で答えなさい。


[図5]の答えE
解説       1/3

問題文に、「シイの森のようす」と書いてありました。
シイ・カシは、陰樹であることをしっかり覚えておいてください。








  (図2)の@Bの間の植物の移り変わりを示しているものはどれですか。下から選び、記号で答えなさい。
(ア) コケ→ススキ→イヌタデ→ヒメジョオン→シラカバ
(イ) コケ→ヒメジョオン→ススキ→イヌタデ→シラカバ
(ウ) コケ→イヌタデ→ススキ→ヒメジョオン→シラカバ
(エ) コケ→イヌタデ→ヒメジョオン→ススキ→シラカバ


[問6]の答え(エ)
解説       1/3

裸地から森林になっていくようすを、ごく簡単にまとめると
裸地→コケ→草原→樹木。

草原は、1年生→2年生→多年生、
樹木は、陽樹→混交林→陰樹
となります。








  (図2)のDEの林のようすについて、最もあてはまるものを下から選び、それぞれ記号で答えなさい。
(ア) 陽樹の高木林で、その中では陽樹の幼木が育っている。
(イ) 陽樹の高木林で、その中では陰樹の幼木が育っている。
(ウ) 陰樹の高木林で、その中では陽樹の幼木が育っている
(エ) 陰樹の高木林で、その中では陰樹の幼木が育っている。


[問7]の答えD…(イ)、E…(エ)
解説       1/3

(図2)のCDEのようになったときは、もう幼木はぜったいに陰樹なのです。








  (図2)で、森林がCEへと移り変わっていく説明として、最もあてはまるものを下から選び、記号で答えなさい。
(ア) 陽樹林は陰樹林よりも森林内が明るいので、やがてその中の陽樹の幼木が成長して林になる。
(イ) 陽樹林は陰樹林よりも森林内が明るいので、やがてその中の陰樹の幼木が成長して林になる。
(ウ) 陽樹林も陰樹林も森林内は暗いので、やがてその中の陰樹の幼木が成長して林になる。
(エ) 陽樹林も陰樹林森林内は暗いので、やがてその中の陽樹の幼木が成長して林になる。


[問8]の答え(ウ)
解説       1/3

大切なことは、
「森林の中は暗い」ということです。
たとえ陽樹の森林でも、陰樹の森林でも、とにかく森林の中は、暗い。