フィボナッチ数列の性質6

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 性質6   Fn+m = Fm × Fn+1 + Fm-1 × Fn
※ この性質を,「フィボナッチ数列の加法定理」と言います。

 数学的帰納法で証明します。

 n = 1 のとき,
性質6の左辺 = F1+m
性質6の右辺 = Fm×F2 + Fm-1 × F1 = Fm × 1 + Fm-1 × 1 = Fm + Fm-1 = Fm+1

 よって,n = 1 のとき,性質6は成り立っています。

 n = 2 のとき,
性質6の左辺 = F2+m
性質6の右辺 = Fm×F3 + Fm-1 × F2 = Fm × 2 + Fm-1 × 1 = Fm + ( Fm + Fm-1 ) = Fm + Fm+1 = Fm+2

 よって,n = 2 のときも,性質6は成り立っています。

 次に,n = k のときに,性質6が成り立っていると仮定します。
 つまり,
 Fk+m = Fm × Fk+1 + Fm-1 × Fk を仮定します。

 また,n = k+1 のときにも,性質6が成り立っていると仮定します。
 つまり,
 Fk+1+m = Fm × Fk+2 + Fm-1 × Fk+1 も仮定します。

 すると,n = k+2 のとき,
 性質6の左辺
=Fk+2+m
 性質6の右辺
=Fm × Fk+3 + Fm-1 × Fk+2
=Fm × ( Fk+2 + Fk+1 ) + Fm-1 × ( Fk+1 + Fk )  (∵フィボナッチ数列の定義)
=Fm × Fk+2 + Fm × Fk+1 + Fm-1 × Fk+1 + Fm-1 × Fk )  (∵分配法則)
=( Fm × Fk+2 + Fm-1 × Fk+1 ) + ( Fm × Fk+1 + Fm-1 × Fk )  (∵交換法則)
=Fk+1+m + Fk+m  (∵仮定)
=Fk+2+m  (∵フィボナッチ数列の定義)

 よって,n = k のときの性質6と,n = k+1 のときの性質6を仮定すれば,n = k+2 のときの性質6が成り立ちます。

 したがって,数学的帰納法により,性質6は証明されました。
(証明終わり)

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